元旦川下り 【釧路川さらし者の川下り】 その1     1998/1/1

温度データ 気温−4°C 水温1.8°C

冬に長期滞在したことがあるのですが、屈斜路湖近辺は氷点下10〜20度があたりまえだったので、今回はとても暖かい日に川下りができたように思います。

釧路川は、何を隠そうこの私がカヌーを始めて体験して、見事にハマッタ川でした。屈斜路原野YGHで最初にカヌー体験した翌年には、マイカヌーを持ってきて屈斜路原野YHのツアーに参加して1日3回この区間を下ったり、別の機会にはキャンプしながら釧路湿原まで下ってみたりと何かと思い入れの強い川でした。屈斜路原野YGHについての詳しい説明はこちら(http://www2.marimo.or.jp/genya)をどうぞ。

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1998/1/1決行
12:00 屈斜路湖スタート
14:00 美留和橋ゴール(屈斜路湖より9km下流)

拡大図(107k)

大晦日の日に、今回一緒に川下りをする神奈川からの中下氏と屈斜路原野YGHで合流しました。夕食後に紅白を見ながら延々と続く年越しパーティー、濡れ髪がバリバリに凍りつく深夜の露天風呂ツアー、美幌峠で初日の出見物ツアーとハードスケジュールを無事こなし、「カヌー初めだっ!」と言う気合はあるものの、朝食後から中下氏と共に昼寝状態となってしまいました。

昼前になると、他の宿泊者の方たちも徐々に元気を取り戻し、クロカンツアーに出かけるようでロビーが騒がしくなってきました。冬の川下りの必需品であるドライスーツは、氷点下の環境では手首・足首・首の部分から水が入らないようにするためのラテックスゴムが低温で硬くなり、着用しようとゴムを延ばした瞬間「パツンッ」と裂けることがあります。年の初めから縁起のよくないゴム裂け事件は気分がよくないので、暖かい部屋の中でドライスーツを足だけ通して着用し、出発しました。

YH前でカヌーを車に積んで準備をしていると、クロカンツアーに向かう宿泊者達とツアーリーダーのちんぺいさんが、私たちのドライスーツ着用姿を見て「スペースシャトルに乗る人みたい」と指さしながら冷ややかな視線を浴びせかけていました。元旦から、さらし者となった気分がこみあげてきました。

まずは、ゴール地点の美留和橋に車2台で行って、1台を置いてくることにします。途中でコンビニにドライスーツを着たまま入った所、店員さんもチラチラと視線を投げかけ、ちょっとだけさらし者となったようです。しかしコンビニ駐車場には、この氷点下の時期にオープンカーに乗り込む関東ナンバーのお兄ちゃんがいて、お互いに立派なさらし者となっていました。

「スペースシャトルに乗る人みたい」と指差されて冷ややかな視線を浴びている瞬間。

 

「3億円事件の手配写真みたい」と言われたヘルメット姿 モジモジ君をかぶった中下氏

美留和橋に車を1台置き、屈斜路湖に移動し準備を開始しました。ネオプレーン製のほっかむり「モジモジ君」をかぶり、怪しげな雰囲気を付近に撒き散らします。ドライスーツは着用後に内部の空気を抜かないと、沈したときに水中で思わぬ部分に浮力が発生し、水中での脱出の妨げになることがあります。ドライスーツのエア抜きのため、屈斜路湖の水に胸までつかって水圧で空気を追い出していました。

すると、湖岸の道路を走る車や観光バスがなぜか徐行したり停車したりと、「モジモジ君」をかぶったまま完全さらし者状態となりました。冷ややかな視線を浴びるとなんとなく物悲しい気持ちになったりと複雑な心境でした。幸い、近くまできて「あんたら、何やってるの?」という物好きな人がいなかったので、ややこしい説明をせずにすみました。

 

記念撮影をしている時も車が徐行しながら、怪しげな姿に冷たい視線を浴びせます。

その2へ続く

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