能登半島九十九湾(つくもわん) シーカヤック     99/5/22(土)23(日)

1999/5/23 2日目 湾外ネイチャーシーカヤッキング

 

翌日23日の朝になると、湾内に残ったクラゲが多数おり、何故か朝から宿の前でクラゲウォッチングが始まりました。クシクラゲの仲間のウリクラゲやツノクラゲは繊毛をなびかせて泳ぐときに、未知との遭遇の宇宙船のように虹色の光りがネオンサインのごとく流れるので、小川君とこはらさんは喜んでいたようです。他にもカブトクラゲやカルガモの親子のようにくっついて泳ぐモモイロサルパなど、クラゲのオンパレードでした。

色々な種類のクラゲが漂っていたのですが、唯一「刺すクラゲ」のアカクラゲが湾内に多数迷い込んでいました。よく臨海学校の遠泳などで、生徒20〜30人がまとめて刺され、病院に担ぎ込まれるといった騒ぎを起こす、強烈な痛みを発生させるものでした。本来はもっと遅くに発生するのですが、今年は時期が早く量も異常なくらい多く、こんなことは今までなかったという話です。クラゲが多いのはこのときだけの現象なので、今後行かれる皆さんは安心してください。

シーカヤックで近くの海水浴場にショートツーリングをするため、カヌーを海面に降ろそうとしたときにも長さ1m近い巨大アカクラゲが4匹、出発地点に漂っていました。

棒でクラゲを岩の陰に遠ざけてシーカヤックを降ろしていると、通過する観光船の起こした引き波で、遠ざけておいたアカクラゲがシーカヤックの回りに戻って来ます。

こんな恐怖の横波を2回程受けながらも棒で近寄ってくるアカクラゲと格闘し遠ざけ、何とか出発できました。

漂っているだけのアカクラゲのするどい攻撃をかわし、無事出発です。アカクラゲは死んでも刺胞から毒針が出るので気をつけましょう。

 

出発すると昨晩あれほどいたミズクラゲが引き潮に乗ってほとんどいなくなっており、クラゲ密度はかなり減っていたようです。

ホンダワラが群生している藻場には潮に取り残されたクラゲがいて「あっアカクラゲだ!」といたるところで発見と同時にクラゲ警報の叫び声があがりました。このようなときに藻場で沈は恐怖です。

昨夜のクラゲを探しますが密度はグッと下がっています 九十九湾園地野営地前の藻場。所々にアカクラゲが迷い込んでいました。

 

藻場を過ぎると五色が浜海水浴場で、能登半島特有の白砂の海底が広がり、エメラルドグリーン〜マリンブルーの海域が広がりました。

皆さんが同様に口にする言葉で「沖縄まで出かけなくても、こんなところに、こんな場所があったのか・・・」と今回初の小川くんと原くんも口にしていました。点在する藻場にはスズメダイやクサフグ、イサザアミなどが群れをなしていました。感動!

小川君は相変わらず瀬戸内海遠征の時と同様に「ジンガサ(アワビの親戚)」を採取して密かにみんなのカップラーメンに入れて喜んでいました。キンキンに冷えたビールを飲んだり、磯遊びでなんだかんだで2時間ほど浜で過ごしてしまい、お昼に上陸して帰る計画だったのですが、スタート地点に戻ったのが14時を回っていました。

海水浴場に入る前に藻がなくなり、海底が綺麗に見えます

五色が浜海水浴場。生き物ウォッチングで半日を過ごしてしまいました。 漁業権を侵害しない、どこにでもいる食べられる貝です

私は昨年九十九湾の入り口で不思議なことに偶然出会いました。イカ釣り船2隻が私の進路を横切ろうとしたので、海面で止まってプカプカ浮いていたところ、頭の上をツバメのようなものが横切りました。上を向いてよく見ると、イカ釣り船に追い立てられて空中を滑空するトビウオが20匹ほどの集団で、私の頭上に見事なアーチを描いていました。「トビウオのアーチをくぐって・・・」という歌詞の歌があったようですが、これが現実のものになるとは思ってもみませんでした。これは大感動の世界でした。

このことを小川君に話したところ、帰りのパドリングは気合が入りまくっていて一人沖合いでトビウオ探しをしていました。到着後に小川君は今度トビウオのアーチをシーカヤックでくぐりたいと連呼しておりました。

その後温泉に入り16時を回ってからの出発になってしまい、解散地の柏崎に着いたのが22時。小川君は塩竈に戻ったのが翌日3時で、朝6時に家を出て客先でプレゼンをやるとのことでした。大丈夫だったのでしょうか・・・。

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