福浦猩々洞は、なぜ入洞が禁止なのでしょう?

2000年3月に猩々洞の上にある展望台で福浦猩々洞のことを調べているうちに、「入洞が禁止されている」ということを知りました。展望台に立っている看板の説明を読んでいくと、下から2行目に

生息するコウモリを保護するため、許可なく入洞できない

という文字を発見。

コウモリの性質を知らなかったので、どのような入洞が禁止されているのか、早速メールで問い合わせてみました。

 

柏崎市への質問

シーカヤックなどの手漕ぎの船も入洞禁止の対象なのでしょうか?

柏崎市からの回答

 お世話様です。
先日ご質問頂きました「福浦狸々洞の入洞について」ですが、この洞窟はコウモ リ保護の観点から、入洞を禁止しております。よって、船舶の種類を問わず、踏 み入れることをご遠慮いただいております。

毎週柏崎の海へ来られているようですが、この時期、急に海が荒れることもあ ります。
お体に気をつけて、シーカヤックを楽しんで下さい。 これからも柏崎をよろしくお願い致します。

柏崎観光HP http://www.kisnet.or.jp/uwatt_kc

柏崎市経済部商工観光課
TEL 0257-23-5111
FAX 0257-24-7714

メールの回答内容を、ホームページに引用させていただけないかとの問い合わせをしたところ、柏崎市経済部商工観光課の方より快くOKをいただきました。ありがとうございます。


さらにコウモリのことを調べていくうちに「洞窟に入るだけで、コウモリをかまったりしないなら大丈夫じゃない」と思って入洞することが、実はとんでもないことだと分かったので載せておきます。

驚かれるもしれませんが、日本国内に生息する全ての種類のコウモリは保護動物となっていて、触れることでさえも環境庁の許可が必要です。もちろん街中で見かけるコウモリも例外ではありません。


福浦猩々洞に生息しているユビナガコウモリやコキクガシラコウモリなどは、人間の接近に非常に敏感で反応しやすい種類のため、海の季節とちょうど重なる出産期に入洞すると早産を起こしやすいそうです。コウモリの赤ちゃんは親の手伝いなしで、自らの力で親に必死にしがみついています。早産の赤ちゃんは力が弱いため落下してしまうと、親が回収しようとしても、再び親にしがみつくことができずに赤ちゃんは死んでしまいます。

繁殖期以外や冬眠期の入洞でも、危険を感じて生息場所を放棄してしまうこともあるそうです。一年を通してどの季節でも、入洞を繰り返すことによって、コウモリが繁殖場所を放棄してしまう原因となり、徐々にコウモリの生息場所が減ってしまう原因にもなります。

生息場所や繁殖場所の環境が悪くなっているため多数の種で絶滅が心配されています。日本では絶滅のおそれがあるホ乳類47種のうち31種がコウモリ類だそうです。


「コウモリの繁殖や生息が確認されている洞窟への入洞を避ける。」このことは重要なことなのですね。

 

親が空を飛ぶときも赤ちゃんはしがみついています。

親が洞窟外に餌取りに出かけている間は必死に天井にしがみついて親の帰りを待っています。

画像は柏崎市立博物館のビデオをデジタルカメラにて撮影

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